タイと中国の関係は、長年にわたり緊密に築かれてきました。両国はこれまで、あらゆる分野において協力を推進し、二国間・多国間の関係を着実に強化してきました。このたび、任期満了に伴い辞任する韓志強・駐タイ中国大使が、ぺートンターン首相を表敬訪問しました。この訪問の機会を活かし、双方は観光や文化、農業など幅広い分野での協力強化について意見を交わしました。
観光分野では、中国側が文化公演や中国バレエ、雑技、コンサートなどを通じて、タイへの旅行を引き続き促進する姿勢を示しました。中国大使は、三百五十社以上の中国企業が参加し好評を博したイベント「サワディー・ニーハオ」についても言及しました。
一方、首相は、タイが引き続き世界中の旅行者にとって魅力的で安全な観光地であることを強調し、観光振興、投資促進、国家イメージ向上に向けた積極的な情報発信を進めていくと述べました。観光は、両国の経済や文化、友好関係をつなぐ重要な架け橋であるとしています。
農産物輸出の分野では、とくにドリアンの分野で大きな進展が見られました。首相は、中国側の協力により、従来七〜八日かかっていた輸出手続きが、わずか二日間に短縮されたことを歓迎しました。さらに、中国は再検査を必要としない品質基準を満たした二百四十社以上のタイ企業を認定しており、今後の貿易拡大が期待されています。また、地域協力の枠組みである「メコン・ランカン協力」についても協議され、タイが主催する第5回首脳会議への出席のため、年内に中国の首相が訪タイする予定を明らかにしました。首相はこの訪問を歓迎し、地域全体での協力をさらに進めていく意向を示しました。
世界情勢が大きく変動する中でも、タイと中国の関係は今後さらに緊密化すると見られています。